2021年9月14日
圧迫し合う双幹は、通常、立木密度の高い林分内で、光の来る方向に向かう光屈性による成長の結果として生じる。2本の幹は互いに押しつぶし合い、樹皮を内包し、その樹皮は力学的に亀裂のように作用する。その亀裂は2本の幹を癒合させる年輪によって完全に囲まれてしまう。
2021年9月14日
バナナクラックは普通、傾いた樹木や枝の下向き側で、危険な梁の亀裂に対して直角の面に生じる。我々の調査した範囲では、バナナクラックが樹木全体の破壊を引き起こすことは滅多にない。腐朽の侵入は、どのような亀裂からでも可能である。
2021年9月14日
風向と直角方向の剪断亀裂は、普通は根元近くで、極めて稀に叉の部分で、剪断応力の集中の結果として生じる。
そして、その剪断亀裂は張り出した根の間の接合部分に内包された樹皮から始まる。樹皮の内包部分は力学的に初期の亀裂と同等である。剪断亀裂は常に全体の破壊を起こすという訳ではないが、曲げ荷重に対する安全性を低下させる。
2021年9月14日
縄が編まれた方向と逆方向にねじられると、その縄はほどけ、繊維は相互に分離してしまうであろう。遺伝的か一方向からの風によるかに関係なく、ねじれて成長した木も同様であるもし自分のねじれ方向と逆にねじられると、幹は破壊され、腐朽がなくとも完全に破損することがある。
2021年9月14日
材の木理方向を横切る引っ張り応力は危険な梁となり、そこでは他の亀裂と同様に腐朽も侵入するであろう。枝を切り詰めれば再び安全にすることができる。この種類の亀裂が、風上側の根元や幹にある時は極めて危険である。
2021年9月14日
亀裂はその先端(赤い点)で局所的に高い力を持っており、その応力は形成層に対し、成長を早めるように刺激する。その結果がうね状隆起である。
2021年9月14日
古い傷や落雷による溝で、樹木の材がむき出しとなっているが、これらは側面からの被覆成長によってのみ塞ぐことができる。一年間に形成される損傷被覆材の幅の平均値を1cmとすると、傷が塞がれるまでに長年月を要し、傷の部分はその間、腐朽菌の侵入を受けやすくなる。さらに落雷による溝は、運動場にある木製器具の地面に接している部分と同様、地表面付近で最も腐朽しやすくなっている。
2021年9月14日
局部的破壊は「腹巻」の形成を促し、腐朽では決して生じることのない段差のある輪郭を形成する。
2021年9月14日
開口部の窓枠材は一般的に内側に湾曲していて二重の壁を形成しているが、このとりわけ強靭な材が座屈して古い靴下のようにしわくちゃになると、樹木の中でも最も強靭と思われるこの部分は漸増破壊の状態にある
2021年9月14日
世界中で行った野外調査の結果は、半径70%以上に腐朽(空洞)が及ぶと急速に空洞樹木の倒伏率が上昇することを示している。
